インド占星術が怖い?と言われる理由|凶の時期は人生の約半分?

インド占星術が怖い?と言われる理由|凶の時期は人生の約半分 インド占星術

インド占星術は怖い。そう聞いて、あるいは実際に何か言われてしまって、検索してきた人が多いんじゃないかなと思います。土星やラーフが凶だとか、ダシャーで凶の時期が何年も続くとか、サデサティで7年半つらいとか、寿命や死期まで読まれるとか。なんのこっちゃ?となるのはわかります。

逆に、当たりすぎて怖い、という声もよく見かけます。反対に、根拠もなく不安をあおられただけでは、と疑っている人もいるはずです。どちらの立場でも、いちばん困るのは「その話がどこから来ているのか分からない」という状態かなと思います。

結論から言うと、怖いと言われる中身には、ちゃんと出どころがあります。凶星の定義も、ダシャーの年数も、寿命の区分も、マラカと呼ばれる死を与える星の章も、インド占星術の古典にきちんと条文として書かれているんです。ただし同じ原典が、凶は解除できるとも、若いうちに寿命を決めるなとも釘を刺しています。

この記事では、怖がられがちな言葉をひとつずつ原典の条文まで下ろして確かめて、最後に、占術そのものより現実的に怖い高額請求のトラブルと、その相談先までまとめました。この記事でわかることは、次の4つです。

  • インド占星術が怖いと言われる理由の出どころ
  • 原典が定める凶星と、凶の時期が占める割合
  • 寿命や死期の話をどこまで真に受けるべきか
  • 不安をあおられたときの相談先と取消権

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インド占星術が怖いと言われる理由を原典から解説

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まずは、怖いと言われる中身を分解していきますね。インド占星術で怖がられるポイントは、だいたい5つに集まります。当たりすぎること、土星やラーフが凶とされること、ダシャーの凶の時期が長いこと、寿命や死期がわかると言われること、そしてサデサティです。ひとつずつ、古典の条文と天文の数字に当てていきます。

当たりすぎて怖いと感じるのはなぜか

当たりすぎて怖い。インド占星術の感想で、いちばんよく見かける言い方かなと思います。西洋占星術より具体的に当てられた気がする、と言う人も多いですよね。

理由のひとつは、話が具体的になりやすい仕組みにあります。インド占星術は出生時刻から上昇星座(ラグナ)を出して、そのうえで人生を天体ごとの期間に区切って読みます。「何座だからこういう性格」で終わらず、何年から何年まではこの天体の期間、という時間の区切りが最初から組み込まれているんですね。

年単位で区切られた話をされると、聞いた側の記憶はその期間に合う出来事を探し始めます。人生は長いので、たいてい何かしら見つかります。当たったという体感は、ここでかなり作られている部分があるのかなと思います。

加えて、誰にでも当てはまる文章を自分のことだと感じてしまう心理の働きも、古くから知られています。バーナム効果と呼ばれるものですね。この仕組みそのものは占いはなぜ当たるのか?占星術とタロットを仕事・恋愛に活かす方法で詳しく書いているので、当たる感覚の正体が気になる人はそちらをどうぞ。

では、当否そのものを確かめた研究はないのかというと、あります。インドで行われた二重盲検のテストでは、参加した占星術師の判定は偶然の期待値を上回りませんでした(2009年・Current Science 誌)。この検証の中身と、ダシャーの仕組みそのものについてはインド占星術とは?西洋占星術との違いと星座が変わる理由を解説にまとめています。

ここで言いたいのは、当たる当たらないの決着をつけることではありません。当たりすぎて怖いと感じているとき、怖さの正体は的中率ではなく、断定された言葉が頭から離れないことのほうにある、という話です。だからこの記事では、断定されがちな中身のほうを原典まで下ろして確かめていきますね。

なぜ当たると感じるのかという話は、占い側と心理側の両方から眺めると見通しがよくなります。占星術家と臨床心理士が正面から対話した本が1冊あって、私はこのテーマを考えるときによく思い出します。

土星やラーフが凶とされる原典の定義

まず、どの天体が凶とされるのか。これは占い師の解釈や流派の好みではなく、古典に列挙されています。インド占星術の基本文献とされる『ブリハット・パラーシャラ・ホーラ・シャーストラ』(BPHS)の第3章に、こう書かれています。

Among these, Sūrya, Śani, Mangal, decreasing Candr, Rahu and Ketu are malefics, while the rest are benefics.

(太陽・土星・火星・欠けていく月・ラーフ・ケートゥが凶星で、残りは吉星。出典:『Brihat Parāśara Horā Śāstra』英訳全文 第3章)

意外じゃないですかね。なんと、太陽が凶側に入っているんですよ。日本語の感覚だと太陽は明るくていいもの、という気がしますが、原典の分類はそうなっていません。しかも水星は凶星と同座すれば凶になる、という条件付き。月にいたっては、満ちていくか欠けていくかで吉凶が入れ替わります。

つまり原典の凶星は、生まれつきの悪者リストではなく、状態と組み合わせで決まる分類なんですね。ここを押さえておくだけで、土星やラーフという単語を聞いただけで身構えなくて済むかなと思います。

では、土星が特別に怖がられるのはなぜか。これにも条文があります。第44章に、土星が悪い状態にあってマラカ(死を与える星)と関係した場合、他の天体に優先して死をもたらす、という趣旨の記述があるんです。ここだけ切り出すと、確かにぞっとしますよね。

ここ、読み落とされがちです。この条文は「土星が悪い状態にあり、かつマラカと関係していれば」という条件つきの文章です。土星がチャートにある、というだけの話ではありません。土星は誰のチャートにも必ずありますからね。

ラーフとケートゥも同じです。影の天体と呼ばれて不気味な扱いをされがちですが、原典の分類では凶星のひとつとして並んでいるだけで、そこに個別の運命が書き込まれているわけではありません。凶星という言葉の響きが強すぎるだけ、という面はかなりあるのかなと思います。

凶の時期は120年の約半分という設計

ここが、この記事でいちばん伝えたい数字です。

インド占星術でよく使われるヴィムショッタリ・ダシャーは、9つの天体に年数を割り当てて、合計120年で一巡します。なぜ120年かというと、原典が「カリユガにおける人間の自然な寿命は一般に120年とされる」という前提を置いているからです。あなたが120年生きるという予測ではなく、計算の土台として置かれた数字ですね。ここを外すと、120年の設計そのものを寿命の宣告のように誤読してしまいます。

そのうえで、さきほどの凶星5天体に割り当てられた年数を足してみます。太陽6年、火星7年、土星19年、ラーフ18年、ケートゥ7年。合計57年です。120年のうちの57年なので、割合にすると47.5%になります。

原典の数字を単純に足すと、凶とされる天体の期間は人生120年のうち約57年、割合にして47.5%。凶の時期は例外的な不運ではなく、設計上ほぼ半分あるものとして最初から組まれています。

ただし、この47.5%はあくまで目安です。月は満ち欠けで吉凶が変わりますし、水星も同座する天体次第で凶に回ります。境目は人によって動くので、単純に足すとこうなる、という以上のことは言えません。それでもこの数字を出したのは、割合の感覚を持っていないと、たった一言の宣告に振り回されてしまうからです。

ラーフ期の18年と土星期の19年だけでも37年、120年の約31%にあたります。今はラーフ期だから、土星期に入ったから、と言われても、それ自体はまったく珍しい話ではないわけですね。人生のどこかで必ず通る区間です。

ひとつ注意しておきたいのは、ダシャーの表が示すのはあくまで期間の区切りだ、ということです。どの天体の期間にいるかは計算で出ますが、その表が吉凶を判定してくれるわけではありません。凶の時期を調べる、という言い方は、この意味で少し雑かなと思います。

ダシャーのラーフ期や土星期が怖い理由

ダシャーは、人生を天体ごとの期間に区切って読む仕組みです。年数は原典に条文として固定されていて、鑑定する人が気分で決めるものではありません。全天体の年数の一覧は、さきほど挙げた「インド占星術とは?」の記事にまとめてあるので、並びを確認したい人はそちらを見てもらえたらと思います。

怖がられる理由は、たぶんとても単純で、長いからです。ラーフ期は18年、土星期は19年。20年近く続くと言われたら、それだけで気が重くなりますよね。しかも回避できるものではなく、順番に回ってきます。

でも、さきほどの割合を思い出してください。凶とされる期間が合計で約半分ある設計なので、長い凶の期間に入ること自体は、誰にでも順番に起きることとして組まれています。あなただけが引いた貧乏くじではない、ということです。

もうひとつ大事なのが、原典の書き方です。BPHSは、ダシャーの凶の効果を述べたその場で対策を併記しています。「この期間には困難がある」で文章が終わっていないんですね。困難の記述と、マントラの読誦や供養といった手当てが、ワンセットで書かれている。

ラーフ期イコール不幸な18年、という読み方は、原典の書き方からするとかなり行き過ぎです。条文は、時期の質を述べたうえで対処を添える形になっています。悪い時期の宣告としてそこだけ切り出すのは、原典の形とは違うのかなと思います。

それと、期間そのものは計算で求まるものです。生年月日と出生時刻、出生地がそろえば、今どの天体の期間にいるかは機械的に出ます。逆に、出生時刻が分からない場合はラグナもダシャーの区切りも確定しません。ただ、繰り返しになりますが、そこで出てくるのは期間の区切りであって、吉凶の判定ではありませんからね。

寿命や死期がわかるという話の実際

インド占星術は死期がわかる。検索して怖いと感じる最大の理由が、たぶんこれかなと思います。結論から言うと、寿命を扱う章は確かに原典にあります。ただ、中身は現代の余命宣告とはかなり違う形をしています。

第43章は、寿命を7つに区分しています。バーラ・リシュタが8年、ヨーガ・リシュタが20年、短命が32年、中命が64年、長命が120年。そしてその先に、ディヴィヤと呼ばれる超自然的な寿命1000年と、アムリタユ(不死)が並びます。

1000年と不死が同じ区分表に載っているわけです。ここを現代のカルテのように読むのは、そもそも筋が違うと思いませんか。区分そのものが神話的な尺度を含んでいる、と見たほうが自然かなと思います。

マラカという言葉も怖がられますね。直訳すると死を与える星です。第44章では、3室と8室を寿命に関わる室とし、そのそれぞれから12番目にあたる2室と7室をマラカの室としています。8室が怖い、という言い方の出どころは、だいたいこのあたりです。

ただし、どの天体をマラカとして重く見るかは流派によって割れます。同じチャートを見ても読み手によって結論が変わる程度には、解釈の幅がある領域だということは知っておいてください。断定できるほど手続きが一本化されていないんですね。

整理すると、寿命がわかるらしい、という話の実態はこうです。区分の表はある。死を与える星を定める章もある。けれど、その表には不死まで載っていて、読み方は流派で割れている。この状態で誰かが年齢を一点で言い当てたとしたら、それは原典が保証している精度ではありません。そして原典自身が、この計算にいちばん強いブレーキをかけています。次の章で見ていきますね。

この記事では、あなた個人の寿命や死期に踏み込むことは一切しません。原典にそういう章がある、という事実の紹介にとどめます。命や健康に関わることは占星術ではなく医療の領域です。気になる症状や不調があるときは、医療機関にご相談くださいね。

サデサティで土星の7年半が怖い話

サデサティ(サーデー・サーティー)は、土星が月の星座とその前後の星座を通過する期間のこと。よく7年半と言われます。この7年半、どこから出てきた数字か知っていますか。占術の言い分ではなく、天文の数字から素直に出てきます。

土星が空を一周するのは約29.5年です。国立天文台の暦計算室も、土星の環が見えなくなる現象を、29.5年の軌道周期の中で2度、およそ15年ごとに起こるものとして説明しています。この29.5年を12星座で割ると、1つの星座を通るのに約2.46年。3つの星座なら約7.4年です。だいたい7年半、というわけですね(出典:国立天文台 暦計算室「暦Wiki/土星/土星の環の消失」)。

つまりサデサティの長さは、土星の公転周期をそのまま星座の数で割った数字です。神秘的な由来があるわけではありません。ここが分かると、7年半という響きの重さが少し変わってくるんじゃないかなと思います。

そしてもうひとつ。土星は約29.5年で一周するので、サデサティは29年から30年に一度、誰にでも順番に回ってきます。80年生きれば2回か3回は通る計算です。特別に選ばれた人だけに起きる不運ではないんですよ。

なお、実際の土星の動きは一定ではありません。公転周期は29.4年から29.5年とされ、逆行もあるので各星座の通過期間はぶれます。7年半という数字は、あくまで目安として受け取ってください。

ついでの豆知識です。土星の環は、約29.5年の周期の中で2回、およそ15年ごとに地球から見えなくなる時期があります。怖いイメージばかりが先行する土星ですが、実際の観測の世界ではこういう周期の面白さのほうが主役です。私はこの話のほうが好きですね。

インド占星術が怖いときの受け止め方と対処法

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ここからは、実際に怖いことを言われてしまったとき、どう受け止めればいいのかという話です。原典の構造から見えてくる解除の考え方、寿命を若いうちに決めるなという条文、そして占術そのものより現実的に怖い高額請求のトラブルと相談先まで、順番に見ていきますね。

原典は凶の直後に解除の章を置いている

ここ、怖い理由を並べた記事ではほとんど触れられていない部分です。BPHSの目次を見ると、第9章が「出生時の凶(Evils at Birth)」、その直後の第10章が「凶の解除(Antidotes for Evils)」になっています。

つまり原典は、凶を並べたら、その次の章で解除の話を始める構造なんですね。第10章の冒頭も、これらが凶である、ここからはその凶を打ち消す方法についても述べよう、という趣旨の書き出しで始まります。怖い話を言いっぱなしにしない設計になっている、ということです。

では、何が凶を解除するとされているのか。第10章に挙がっているのは、たとえばこんな条件です。

  • 水星・木星・金星のいずれかがラグナから見てケンドラ(角の室)にあれば、太陽が闇を消すように凶は消える
  • ラグナに強い木星が1つあるだけで、凶は退けられる
  • ラグナの支配星が強くケンドラに位置していれば、それ単独で凶を打ち消せる
  • 凶星が吉星に囲まれ、ケンドラやトリコーナを吉星が占めていれば、凶はほどなく消える

気づきましたか。どれもチャートの中の配置の話です。お金を払って買うものが、ひとつも出てきません。解除は、まず自分のチャートの中を見にいくもの。原典の順番はそうなっています。

原典にはリメディ(凶星をなだめる方法)の章もあります。第84章ですね。中身は礼拝とマントラの読誦、布施が中心で、天体ごとの像の材質として銅・水晶・赤い白檀・金・銀・鉄・ガラス・ベル合金が挙げられています。後代の流派で広く行われている宝石の処方は、この章の文脈では購入を勧めるものとして出てくるわけではありません。

凶の解除は、まずチャートの中を見るもの。解除のためにこれを買う必要がある、と言われたら、そこから先は原典の手続きとは別の話が始まっていると思って、いったん立ち止まっていいかなと思います。買う買わないを、その場で決める必要はありません。

若いうちに寿命を決めるなという条文

これが、この記事でいちばん強い一撃かなと思っています。BPHSの第9章に、こう書いてあります。

Evils, causing premature end, exist up to the 24th year of one’s age.

(早世をもたらす凶は24歳まで存在する。したがって、その年齢に達するまでは寿命の確定的な計算をすべきではない ── 『Brihat Parāśara Horā Śāstra』第9章の要約)

24歳まで、寿命の確定的な計算をするな。原典が自分でそう書いているんですね。ということは、幼い子どもや10代の人に向かって何歳で亡くなると断言する読み方は、原典の手続きからむしろ外れていることになります。

さらに、マラカを扱う第44章にも似た記述があります。こちらは、20歳になるまで寿命を判定することは不可能である、として、それまでは聖句の読誦や供物によって子どもを守るべきだ、という書き方になっています。

お気づきのとおり、24歳と20歳で数字が食い違っています。原典の中でそろっていないんですね。ここは隠さず書いておきます。古典というのはそういうもので、章ごとに伝承の系統が違ったり、後世の加筆が混ざったりするものです。数字がひとつに決まっていないという事実自体が、ひとつの答えでもあるかなと思います。

どちらの数字を取るにしても、結論は同じ方向を向いています。若いうちの寿命判定について、原典は一貫してやめておけと釘を刺しているということです。もし断言された経験があるなら、その断言のほうが原典から離れていた、と考えていいと思いますよ。

原典の性格がよく出ている箇所も紹介しておきますね。BPHSの第2章には、占星術の知識もないのにこの学問を非難する者は地獄に落ち、盲目に生まれ変わる、という趣旨の記述があります。読者を脅す目的で引くのではありません。こういう言い回しをする時代の書物なのだ、という話です。だからこそ、条文の一文を現代の宣告のようにそのまま受け取らない姿勢が要るのかなと思います。

怖いのは占いより高額請求のトラブル

ここまで原典の話をしてきましたが、現実に被害が積み上がっているという意味でいちばん怖いのは、占術の中身ではありません。不安をあおって課金させる手口のほうです。こちらには公的な統計があります。

国民生活センターが2020年11月に公表した資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられる占いサイト・アプリに関する相談は年間1,000件以上あり、2019年度以降は増加傾向にあります。相談者の8割が女性で、年代は40代・50代が中心です(出典:国民生活センター「それって占い?!占い師や鑑定士を名乗る者から次々とメッセージが届いてやめられない」)。

金額も出ています。すでに支払ってしまった額の平均は122万4,107円。ただしこれは、相談として寄せられた事例の平均であって、占いを利用した人全体の平均ではありません。ここは誤解しないでくださいね。

手口としてはっきり記録されているのが、やめようとしたときの引き止めです。鑑定を最後まで受けないと不幸になる、今やめるのはもったいない。実際の事例では、波動が乱れているから調整が必要だと言われて、銀行振込とクレジットカードで合計50万円以上を支払ったケースも報告されています。

気づきましたか。不安をあおるタイミングが、鑑定の内容そのものではなく、やめようとした瞬間に来ているんですね。これは占術の問題ではなく、課金の構造の問題です。

消費者庁の資料でも、いわゆる霊感商法・開運商法の相談は2012年度の3,267件から減ってはいるものの、2021年度で1,435件と、今も年1,000件を超えて続いています。2021年度に相談された商品・役務の1位は「占い・祈とうサービス」で、全体の54.4%を占めました。

金額の内訳は、平均と中央値を並べて見るのが正確です。2021年度の数字はこうなっています。

区分 平均 中央値
契約金額 112万9,111円 21万2,716円
既支払金額 96万9,160円 6万4,660円

平均と中央値がこれだけ開いているのは、一部の超高額な事例が平均を引き上げているからです。みんなが100万円取られている、という話ではありません。数字は煽らずに正確に見たほうがいいかなと思います(出典:消費者庁「資料4 霊感商法(開運商法)に関する消費生活相談について」2022年8月)。

なお、これらの件数には、相談者の申出情報に基づくものであり事実関係が必ずしも確認されたものではない、という注記が付いています。統計としての性格も含めて、あくまで目安の数字として受け取ってください。

やめたいのにやめられない、という状態そのものについては、占い師がぶっちゃけ話で語る、占い依存の危険サインと対策入門で危険サインを整理しています。心当たりがある人は、先にそちらを読んでみてください。

どういう言葉で人が引き止められるのかは、業界の内側から書かれたものを1冊読んでおくと、かなり見通しが立つようになります。

不安をあおられたときの相談先と取消権

では、実際に怖いことを言われて不安になっている、あるいはもう払ってしまった。そんなときにどうするか。ここは占い師としての意見ではなく、公的機関が出しているアドバイスをそのまま紹介しますね。

国民生活センターが挙げているのは、次の4点です。

  • 無料の占いだからといって、気軽に氏名・生年月日・メールアドレス等の個人情報を入力しない
  • 占い師や鑑定士を名乗る相手からメッセージが届いても、安易に返信しない
  • 相手の言葉をうのみにしてやりとりを継続しない(やりとりはスクリーンショット等で保存しておく)
  • トラブルに遭ったと感じたら、最寄りの消費生活センター等に相談する

相談先は消費者ホットライン「188(いやや!)」です。局番なしで188にかけると、最寄りの相談窓口を案内してもらえます。

個人情報のところ、意外と軽く見られがちですよね。無料の鑑定に生年月日とメールアドレスを入れたところから、メッセージが止まらなくなるという流れが実際に記録されています。入り口は無料であることが多い、というのは覚えておいて損はないかなと思います。

もう払ってしまったから手遅れだ、と思っている人もいるかもしれません。ここも知っておいてほしいことがあります。

消費者契約法には、霊感等による告知によって契約させられた場合の取消権があります。その行使期間は、令和4年の臨時国会での改正で伸ばされ、追認をすることができる時から3年間、契約の締結の時から10年になりました(消費者契約法第7条。出典:消費者庁「消費者契約法逐条解説」)。

ただし、実際にこの取消権が使えるかどうかは、契約の中身や勧誘の状況によってケースごとに変わります。私は法律の専門家ではないので、ここで可否を断定することはできません。最終的な判断は、消費生活センターや弁護士など専門家にご相談ください。制度の正確な内容は、消費者庁の公式サイトで最新の条文と解説をご確認いただくのが確実です。

それと、これは気持ちの話ですが。怖いことを言われて動揺している最中に、その場で何かを決めなくていいですからね。持ち帰って一晩置くだけで、判断はだいぶ変わります。急がせてくる相手のほうを、いったん疑っていいと思いますよ。

まとめ:インド占星術は怖いのか

長くなったので、整理しますね。

  • 凶星の定義は原典にある。ただし太陽も入るし、月は満ち欠けで入れ替わる、状態しだいの分類
  • 凶とされる天体の期間は120年のうち約57年(47.5%)。凶の時期は例外ではなく設計上ほぼ半分
  • 寿命の章もマラカの章もあるが、原典自身が24歳(別の章では20歳)まで寿命を確定するなと釘を刺している
  • 原典は凶の章の直後に解除の章を置く。解除はまずチャートの中で見るもので、買うものではない
  • 現実に件数が積み上がっているのは占術ではなく、不安をあおる課金のほう。相談先は188

インド占星術は怖いのか。私の答えは、怖く読むこともできるし、そう読まない道も同じ原典の中に用意されている、です。凶の条文と解除の条文は同じ本に並んで入っています。片方だけを切り出して伝えるのは、読み方として片手落ちかなと思います。

占いを全部信じる必要も、全部捨てる必要もありません。時期の区切りを人生の見取り図として使うぶんには面白い道具ですし、当たる当たらないの検証結果も知ったうえで付き合えば、振り回されずに済みます。少なくとも、一言の断定を全部引き受ける義務はどこにもないですよ。

最後に念のため。この記事で挙げた件数や金額は、公表時点の数字です。相談件数は毎年更新されますし、法律も改正されます。正確な情報は国民生活センターや消費者庁の公式サイトでご確認ください。お金や法律、健康に関わる判断については、最終的に専門家にご相談くださいね。

そして、もし今まさに何か言われて眠れないでいるなら。その一言が原典のどの条文から来ているのか、そもそも条文にあるのか。そこを確かめるだけでも、怖さの輪郭はずいぶん小さくなるんじゃないかなと思います。

怖がる前に、まず自分の図を見てみませんか

南インド式のラーシチャートとナヴァムシャ、ラグナ、月のナクシャトラ、いま何のダシャー期にいるかを無料で表示します。出てくるのは期間の区切りだけで、その時期の吉凶は判定しません。出生時刻が分からない場合は月ラグナで作ります(ダシャーは出生時刻がある場合だけ)。登録不要です。

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