リリスの占星術での読み方:ブラックムーン・12星座・ハウスを解説

リリスの占星術での読み方:ブラックムーン・12星座・ハウスを解説 西洋占星術

リリスを調べるときは、まずどのリリスを、どの計算法で出したのかを確認しましょう。占星術で使うブラックムーンリリスは、月軌道の遠地点に関係する計算上のポイントです。実在する小惑星リリスとは別に扱います。

「ダークムーン」という呼び名にも揺れがあります。meanとtrueの違いまでそろえてから、星座・ハウス・アスペクトの順に読むと、別のサイトで結果が違ったときにも確かめやすいですよ。

この記事では種類と計算法を整理し、無料チャートで調べるための公式手順を紹介します。後半の欲望・影・自律性といった読み方は、占星術上の象徴的な解釈として見ていきましょう。

  • 月の遠地点・仮説上の衛星・小惑星リリスの違いと呼び名の注意点
  • meanとtrueの計算法の違いと実務での選び方の基準
  • 12星座・ハウス・アスペクト別のリリスの具体的な読み方
  • リリスの神話的背景と、自分を振り返るための読み方

3種類のリリスの前に、自分の基本配置を

リリスを読むには出生図そのものが要ります。無料版で出せるのは太陽から冥王星までとアセンダントで、リリスは含まれません。それでも、シャドウが出る場面を観察するときの基準になるのは、太陽(意志の向く方向)と月(感情の癖)です。生年月日と出生地から30秒、登録不要です。

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リリス占星術とは?基礎と3種類の全解説

リリス占星術とは-基礎と3種類の全解説

「リリスって何?」「どれを選べばいいの?」という疑問から整理します。名前だけで判断せず、月の遠地点なのか、仮説上の衛星なのか、実在する小惑星なのかを区別してみましょう。

ブラックムーンリリスとダークムーンの違い

ブラックムーンとダークムーンは、名前だけで必ず別物に分けられるわけではありません。Astrodienstの公式FAQでは、月の平均遠地点を使うリリスを「Dark Moon」とも呼んでいます。資料によっては、この名前を仮説上の第二の月に使うこともあります。

ブラックムーンリリス(BML)は、月が地球から最も遠くなる位置である遠地点(アポジー)に関係する感受点です。月とは別の天体がそこにある、という意味ではありません。計算方法によって位置が変わるので、mean・trueなどの指定も一緒に確認します。

確認する対象 何を指すか 見分ける手がかり ブラックムーンリリス 月軌道の遠地点に関係する計算上のポイント mean lunar apogee、true/osculatingなどの計算法。
Dark Moonと呼ばれる場合もある Waldemathの仮説上の月 1898年に提案された、地球の第二衛星という仮説 Waldemath、hypotheticalなどの説明。
Swiss Ephemerisではh58
小惑星リリス 太陽の周りを回る実在の小惑星 (1181) Lilith、asteroid Lilith

Waldemathの月は、存在が確認された天体ではありません。仮説上の月の位置を計算することと、その天体が実在することは別です。名称が似ていても、上の3つを同じ対象として読まないようにしましょう。

呼び名と対象の確認には、Astrodienst公式FAQ「Extra Chart Factors」と、Swiss Ephemeris仕様書の月の遠地点・Waldemathの節が参考になります。

最初に確認すること:「リリス」という表示を見つけたら、月の遠地点・仮説上の衛星・小惑星のどれかを説明や凡例で確認する。そのうえで、月の遠地点ならmeanかtrueかを確かめる。この順番で進めると混乱を減らせます。

小惑星(1181)リリスとは?

小惑星リリス(Asteroid Lilith)は、正式には「(1181) Lilith」と呼ばれる実在の小惑星です。NASA/JPLの小天体データベースでは、メインベルトの小惑星として登録されています。月の遠地点を計算するブラックムーンリリスとは、対象そのものが違います。

ツールや資料に「1181」「asteroid Lilith」とあれば、小惑星を扱っている手がかりになります。ブラックムーンの解説を小惑星の位置へそのまま当てはめず、どちらを前提にした説明かを確かめましょう。

多くの占星術師がホロスコープで扱う「リリス」はブラックムーンリリスを指しています。私もこちらを扱っています。ただし、ツールや資料によってどれを指しているか明示されていないこともあるため、調べる際は必ず確認するようにしましょう。英語の記事を読む場合は、ブラックムーンリリスは「BML」と略されることが多く、小惑星リリスは「(1181)」という番号や「asteroid Lilith」という表記で区別されることがあります。

以下に記号を並べます。記号だけで種類が確定しない場合は、名前・番号・計算法の説明も確認してください。

3つのリリス

占星術全体の天体の意味については、占いにおける占星術:10天体の意味を完全解説にまとめています。リリスを学ぶ前の基礎固めにもなるので、あわせてチェックしてみてください。

meanとtrueで異なるリリスの計算法

同じブラックムーンリリスでも、mean(ミーン)とtrue(トゥルー)は計算上の定義が違います。「trueだから必ず正しい」という選び方をすると、かえって混乱しやすいところです。

方式 計算している位置 調べるときの注意 mean BML 短い周期の揺らぎを平均化した月の遠地点 Astrodienstの通常のLilithは、別の明記がなければこの方式 true/osculating BML その時点の月の位置と速度から、軌道を楕円に近似して求める遠地点 Astrodienstの追加指定はh13。
実際の遠地点をそのまま追う「正確版」という意味ではない
natural/interpolated 実際に遠地点を通る各時点の位置を補間する方式 Astrodienstの追加要素一覧ではh21。h13とは別の計算法

Swiss Ephemerisは、true/osculatingの位置がmeanから±30度ほど変動することを説明しています。この大きな振れは、太陽にも影響される月の軌道を楕円に近似する計算の性質に大きく由来します。実際の遠地点が同じ幅だけ動く、という意味ではありません。方式の差で星座が変わることもあるので、比較には条件をそろえる必要があります。

計算の説明はSwiss Ephemeris仕様書の2.2.1・2.2.3・2.2.4節、h13とh21の区別はAstrodienst公式の追加要素一覧で確認できます。計算方式を選ぶことと、占星術としてどの解釈が役立つかを考えることは分けておきましょう。

「約9年で一周」という目安は、平均的な月軌道の遠地点の向きに関するものです。NASAの月軌道解説では、近地点と遠地点を結ぶ軸の平均回転周期を8.85年としています。これを12等分した「一つの星座に約9か月」は平均の目安で、trueを含むすべての方式の滞在期間に当てはまる規則ではありません。

結果が違うときの確認順:①リリスの種類とmean/true、②生年月日・出生時刻・出生地、③時差やサマータイム、④黄道方式、⑤ハウス方式。星座の度数が違うのか、度数は同じでハウスだけ違うのかを分けると、見直す条件を絞れます。

本記事では、特に記載がない限りmean BMLを基準として解説します。お使いのツールで出したリリスがmeanかtrueかは、設定画面や凡例で必ず確認しておきましょう。

リリスの神話とアダムの最初の妻伝承

リリスの占星術的な意味を深く理解するためには、その神話的な背景を知っておくと格段にわかりやすくなります。リリスという名前は、古代の文化と中世の伝承が幾重にも重なった、複雑な神話の産物です。

リリスの起源として有力なのは、古代西アジアに伝わる夜の女性霊・悪霊(lilû / lilītu系の存在)です。幼児や出産中の女性を脅かす存在として恐れられ、護符で防ぐ習俗も存在していました。この「夜の闇の存在」というイメージが、のちのリリス像の根底にあります。

現代でよく知られる「リリスはアダムの最初の妻だった」という物語は、聖書本文そのものには明記されておらず、中世のユダヤ教の文献「アルファベット・オブ・ベン・シラ(Alphabet of Ben Sira)」によって広まったものです。この伝承では、リリスはアダムと同じ土から造られたと語られており、だからこそ「自分はアダムと対等だ」と主張し、従属を拒み、エデンを自ら去ったとされています。

従属を拒み、追放・離脱・反逆を選んだ存在——このイメージが現代の占星術に引き継がれ、リリスは「社会規範からはみ出した自己の核」「抑圧された欲望」「野性的な女性性」を示す点として解釈されるようになりました。

リリス神話の系譜

  • 古代西アジア:「夜の悪霊」として誕生
  • 中世:「アダムの最初の妻」として再物語化(Alphabet of Ben Sira 以降)
  • 19世紀末:「地球の第二の月」というWaldemathの仮説が登場
  • 現代:心理占星術で「規範からこぼれた自己・抑圧の統合」として解釈

興味深いのは、現代の占星術ではリリスを単純に「悪い」「危険」とは扱わないことです。リリスが示す影や欲望は、適切に統合されれば強さや魅力の源泉になると考えられています。「outsider(周縁の存在)」「refusal(拒絶)」「autonomy(自律性)」といった言葉で捉えると、「性」だけに限定せず、規範と自分の本音の関係を考える読み方にもつながります。

神話と占星術の関係をさらに掘り下げたい方は、古代神話から学ぶエジプト占星術の基礎と守護神も参考になります。神話上の存在が占星術にどう取り込まれてきたかのプロセスを、比較的な視点で理解できます。

リリスの神話史については、リリス(占星術)- Wikipediaでも詳しくまとめられています。(出典:Wikipedia「リリス(占星術)」)

リリスの記号とホロスコープでの確認法

リリスの記号は、月の形と十字を組み合わせたマークなどで表示されます。ただし、記号だけでmeanかtrueかを判断するのは難しいので、名前・計算法・星座の度数も一緒に記録するのが確実です。

もう一度、記号をこちらに示します。

3つのリリス

無料チャートで調べる例として、Astrodienstの公式手順を紹介します。以下の設定名は英語表示のFAQに基づくものです。表示言語によって名前が変わることがあります。

  1. Astrodienstの無料ホロスコープ一覧から「Extended Chart Selection」を開きます。直接開く場合はチャート選択ページへ進みます。
  2. 初回の入口には「Enter birth data and create a user profile」、既存のプロフィールがある人には「Please log in」が表示されます。案内に沿って、調べたい人の生年月日・出生時刻・出生地を確認します。
  3. 公式FAQで標準のリリスを出す組み合わせは、チャートの種類「Natal Chart Wheel」とスタイル「Astrodienst w. Asteroids」です。このLilithは、別の明記がなければmeanの月の遠地点です。
  4. trueを比較したい場合、FAQはExtended Horoscope Selectionの下部にある小惑星入力欄へh13を入れる方法を案内しています。小惑星リリスを指す1181とは違う指定なので、取り違えないでください。
  5. 図と表で対象の名前・星座・度数を確認します。FAQによればh13のtrue Lilithは図でLil(o)、アスペクト表ではLilith(o)と表示されます。ハウスを読むときは、その図で採用したハウス方式も控えましょう。

設定と表示名の出典はAstrodienst公式FAQ「Extra Chart Factors」です。2026年10月に無料一覧からのリンクと出生情報の入口画面を確認し、その先の設定・表示方法は公式FAQの記載をもとに整理しています。

出生時刻がわからないとき:仮の時刻で出した図のハウスを、確定した出生図として読まないでください。星座の境目に近い場合は、時刻の不確かさや計算方式でも結果が変わり得ます。「meanなら不明な時刻でも必ず星座が確定する」とは考えず、不明な条件をメモしておきましょう。

たとえばメモは「BML・mean/星座と度数/ハウス/ハウス方式/出生時刻の確度」という形にすると、後から照合しやすくなります。調べた位置が確認できてから、次の解釈に進みましょう。

リリス占星術のサインとハウスを読む方法

リリス占星術のサインとハウスを読む方法

ここからは12星座別・ハウス別・アスペクト別の読み方と、シナストリー(相性占い)での活用法を見ていきます。以下の表と例は、占星術上の象徴的な解釈です。配置が性格や出来事の原因になると科学的に確認された説明ではなく、自分の経験と照らして振り返るためのヒントとして読んでください。

12星座別リリスが示す欲望と影の特徴

リリスの星座(サイン)は、欲望や拒絶がどんな質・どんな語り口で表現されやすいかを示します。各サインのエネルギーとリリスの「抑圧・影・自律性」というテーマが組み合わさることで、その人特有のリリスの表現スタイルが生まれます。

以下は12星座別のリリスの早見表です。「シャドウ」はリリスが統合できていないときに出やすい傾向、「エンパワメント」は統合が進んだときに発揮されやすい力を示しています。

サイン 核心テーマ シャドウ エンパワメント 牡羊座 自己主張・先頭性 短気・闘争・反発・せっかち 勇気・自律・率直さ・開拓力 牡牛座 身体感覚・所有・価値 執着・独占・嫉妬・惰性 自己価値・官能・持続力・安定 双子座 言葉・好奇心・複数性 皮肉・散漫・ゴシップ・分裂 対話・命名・機知・翻訳力 蟹座 保護・帰属・母性的影 過干渉・閉鎖・情緒操作・防衛過多 セルフケア・境界・養育力 獅子座 可視化・創造・誇り 承認飢餓・ドラマ化・虚勢 創造力・自尊・表現力・カリスマ 乙女座 純粋性・秩序・改善 潔癖・自己批判・過修正・不安 識別力・職能・ケア・整える力 天秤座 関係性・公平・魅力 迎合・比較・優柔不断・三角化 交渉力・美意識・対等性・洗練 蠍座 融合・秘密・力学 執念・嫉妬・隠蔽・復讐心 変容・深度・忠誠心・性的誠実 射手座 自由・真理・越境 説教・逃走・無遠慮・理想過多 探究心・率直さ・信念・冒険 山羊座 権威・成果・秩序 硬直・計算高さ・感情抑圧 責任感・戦略・自己統御・統治力 水瓶座 逸脱・改革・集団規範 反骨のための反骨・孤立・冷笑 解放・発明・連帯・多様性 魚座 境界溶解・幻想・救済 逃避・依存・被害者意識 慈悲・想像力・霊感・包容力

たとえばリリスが牡羊座にある人は、欲望が怒りや勝負心に直結しやすく、「許可なく動きたい」「誰よりも先に行きたい」という衝動が強く出ることがあります。シャドウとして短気や対立が生じやすい一方、統合が進めば勇気ある先頭的なリーダーシップが発揮されます。

リリスが蠍座にある人は、深い結びつきへの渇望と支配・被支配の緊張感が同居しやすいです。禁忌や深層心理に引かれやすく、強い執着心が出やすいですが、変容と深い信頼の力へと昇華できれば、真の誠実さと洞察力が生まれます。

リリスが水瓶座にある人は、「普通でないこと」「型破りであること」に強い価値を見出します。ルールへの違和感が原動力になりやすく、シャドウとして「反骨のための反骨」が出ることもありますが、統合が進めば社会に新しい風を吹き込む改革力になります。

自分のリリスのサインが見つかったら、そのサインの「核心テーマ」が自分の人生でどのように現れているかを振り返ってみてください。シャドウのキーワードに心当たりがあるとしたら、それはリリスが統合を求めているサインかもしれません。

ハウス別リリスの意味と人生への影響

占星術では、ハウス(室)をリリスのテーマが人生のどの領域に重なるかという読み方に使います。サインが「どんな質で」、ハウスが「どこで」という関係です。出生時刻・出生地・ハウス方式を確認してから表を見ましょう。時刻が不明な図では、ハウスを確定できません。

ハウス 作動する領域 シャドウ エンパワメント 1H 身体・第一印象・自己像 見た目への羞恥・過剰防衛・自己反発 自己定義・ボディオートノミー 2H 所有・収入・価値観 欠乏感・執着・比較・所有不安 自己価値の確立・稼ぐ力・資源化 3H 言葉・学び・近しい関係 皮肉・炎上・断片化・神経過敏 発信力・編集力・知的突破 4H 家族・ルーツ・居場所 家族秘密・しがみつき・閉鎖性 再養育・安全基地の再構築 5H 恋愛・快楽・創造 快楽依存・承認劇・恋愛の極端化 創造力・官能の肯定・表現解放 6H 労働・奉仕・健康 完璧主義・自己酷使・役割中毒 健康管理・実務能力・境界確立 7H 対人・結婚・契約 三角関係・依存と拒絶の繰り返し 対等性・契約意識・鏡としての学び 8H 共有・継承・性・変容 執着・支配・情念の泥沼化 変容・深い信頼・共有の成熟 9H 信念・哲学・旅・高等学習 教条主義・逃避的遍歴・断言過多 高次視点・越境・思想の更新 10H 社会・肩書・キャリア 名声不安・権力闘争・冷酷化 職業的カリスマ・使命感・自己統治 11H 友人・共同体・未来像 疎外感・孤立・反体制のための反体制 連帯・改革・未来ビジョン 12H 潜在意識・秘密・隔離 自己破壊・隠蔽・依存・無力感 内省・癒し・見えない力の統合

たとえばリリスが7ハウス(対人・結婚・契約)にある場合、パートナーにリリスのテーマを投影する、強い引力と対立が同居する、といった読み方があります。「あの人が私を支配しようとする」「あの人は危険な魅力を持っている」という感情を振り返る例ですが、相手の現実の言動まで自分の投影だけで説明する必要はありません。占星術の解釈と、実際に起きていることは分けて考えましょう。

リリスが8ハウス(共有・継承・性・変容)にある場合、セックス・秘密・お金の共有などで深層のテーマが浮かび上がりやすいです。執着や支配の問題が出やすい一方、深い変容と信頼を体験する力も持ち合わせています。8ハウスのリリスは「禁忌への引力」が強く出やすいともいわれます。

リリスが12ハウス(潜在意識・秘密・隔離)にある場合は、自分でも言葉にしにくい欲望や怒り、夢・霊性・逃避といったテーマに重ねて読むことがあります。表の「自己破壊」「依存」は象徴的なキーワードで、その配置から病気や行動を診断する意味ではありません。内省の問いにするなら、「一人で抱え込んでいることは何か」「休む時間と、現実から逃げたくなる気持ちをどう区別しているか」と振り返ってみましょう。

リリスが1ハウス(身体・第一印象・自己像)にある場合は、存在感そのものがリリスのテーマを帯びやすいです。周囲から「強い」「魅惑的」「ちょっと近づきにくい」と受け取られることも多く、自分自身は見た目への羞恥や過剰な防衛が出やすいことがあります。統合が進むと、ボディオートノミー(自分の身体を自分で定義する力)が際立ちます。

アスペクト別リリスと主要天体の関係

アスペクトとは、ホロスコープ上の2つの点が作る角度のことです。リリスと他の天体がアスペクトを形成するとき、リリスのテーマ(欲望・影・反逆・磁力)と、その天体が持つテーマが絡み合います。アスペクトの種類によって、その絡み方も変わります。

コンジャンクション(合・0度)はリリスとその天体のテーマが直結・増幅する角度です。たとえばリリスと太陽がコンジャンクションの場合、自己表現や可視化への羞恥と誇りが同時に強く出やすくなります。リリスと金星がコンジャンクションの場合、禁忌的な魅力や欲望と美が直結しやすいです。リリスと火星がコンジャンクションの場合、怒りと欲望が直結しやすく、エネルギーが過剰に噴出することもあります。

スクエア(矩・90度)は摩擦と成長圧の角度です。社会的な自己と本能的な自己がぶつかり合い、葛藤を通じて鍛えられていきます。リリスと金星のスクエアなら「好かれたい自分」と「本音の自分」のぶつかりが生じやすく、リリスと火星のスクエアは境界を学ぶための衝突が起きやすいです。困難ではありますが、このアスペクトを通じてリリスの統合が最も深まりやすいともいわれます。

オポジション(衝・180度)は投影と鏡像の角度です。自分のリリスを相手側に見やすく、強い惹かれ合いと対立が同居します。リリスと月のオポジションなら感情や母性的な領域で投影が起こりやすく、「なぜかこの人に強く反応してしまう」という体験の背景にあることも多いです。

トライン(三分・120度)は自然流入・才能化の角度です。生まれつきタブーや本音へのアクセスがしやすく、使いこなしやすいですが、あまりに自然すぎて「これが影だ」と気づきにくいこともあります。リリスと水星のトラインなら、言いづらいことを言語化する力が自然に発揮されます。

セクスタイル(六分・60度)は機会・協働・応用の角度です。適切な場と条件があれば、リリスを建設的に使えます。リリスと土星のセクスタイルは境界設定の成熟に役立ち、リリスと木星のセクスタイルは周縁的な視点を教えに変える力を持ちます。

オーブ(許容幅)について:アスペクトとして読む角度の幅をオーブといいます。採用する幅は流派やツールによって違うので、表示されたアスペクトだけを見るのではなく、設定も確認しましょう。合・衝3度、スクエア・トライン3度、セクスタイル2度前後など、幅を狭めて確認するのも一つの読み方です。この数値は占星術上の運用例で、科学的な効果の境界や、すべてのツール共通の既定値ではありません。

アスペクトを読む際は、相手天体のサインやハウスも一緒に確認することで、より精度の高い解読ができます。「リリスと金星がスクエア」というだけでなく、「どのサインの金星と、どのハウスのリリスがスクエアを形成しているか」まで見ることで、そのアスペクトが現れやすい人生の場面が具体的になります。

リリスの相性とシナストリーの読み方

シナストリー(Synastry)とは、2人のホロスコープを重ね合わせて相性を読む手法です。相性占いでリリスを活用することも増えており、相手のリリスと自分の天体がどんなアスペクトを形成するかを見ることで、2人の関係のダイナミクスが見えてきます。

リリスがシナストリーで活性化すると、強い磁力と引力が生まれやすいです。「あの人に引き寄せられてしまう」「危険な魅力を感じる」「どうしても気になる」という体験の背景にリリスのアスペクトがあることはよくあります。特に相手のリリスが自分の太陽・月・金星・火星にアスペクトを形成する場合、そのテーマが強く作動します。

シナストリーでのリリスの読み方ポイント

  • 相手のリリスが自分の太陽・月・金星・火星にコンジャンクションを形成する場合、特に強い引力や投影が生まれやすい
  • オポジションは強い惹かれ合いと対立が同居しやすく、「なぜかこの人が気になる」感覚の背後にあることが多い
  • リリスを通じた関係は成長の契機にもなるが、投影(自分の影を相手に見る)が強くなるほど関係が難しくなる
  • シナストリーのリリスはあくまで補助要素として扱い、全体のバランスを見て判断する

注意したいのは、リリスがシナストリーで活性化している関係は、必ずしも良縁・悪縁という単純な判断ができないということです。強い磁力があっても、その磁力が「影の投影」によるものである場合、お互いがリリスのテーマと向き合わないと関係が複雑化しやすいです。

一方で、リリスのアスペクトがある関係だからこそ、互いの影や欲望を深く理解し合えるという側面もあります。リリスを通じた出会いは、しばしば魂の深い部分での変容をもたらすものとして経験されます。「なぜかあの人だけには本音を話せてしまう」「あの人と一緒にいると自分の隠れていた部分が出てくる」というような感覚は、シナストリーでのリリスの活性化と関係していることがあります。

シナストリーを読む際は、リリスだけでなく月・金星・火星・土星なども含めた全体的な読み方が重要です。リリスは相性の「スパイス」のような補助要素として捉え、全体のバランスを見ながら解読することをおすすめします。

リリス占星術で影を知り自分を生きる

ここまで、リリス占星術の基礎から3種類の違い、計算法の差、神話的背景、そして12星座・ハウス・アスペクト・シナストリーの読み方まで見てきました。最後に、リリスを学ぶことの本質的な意味をあらためて整理します。

リリスは、欲望・影・自律性・周縁性・性的磁力・従属の拒絶といったテーマを象徴する感受点です。これらのテーマは多くの場合、社会的な規範の中で抑圧されやすいものです。「こんなことを思ってはいけない」「こんな気持ちは隠さなければ」と感じさせられてきたものが、リリスの示すテーマに重なっていることも少なくありません。

リリス占星術の醍醐味は、その抑圧されたものを「悪いもの」として排除するのではなく、自分の一部として受け取り直すプロセスにあります。シャドウキーワードが自分に当てはまると感じたとき、それはリリスが「ここに注目して」とサインを送っていると解釈できます。

リリスを活かすための実践的な考え方

  • シャドウが出たとき、責めずに「なぜそう感じるのか」を観察する
  • リリスのサインやハウスのテーマが人生のどの場面で繰り返し出るかを記録してみる
  • エンパワメントキーワードを、自分の強みとして意識的に育てる
  • パートナーや周囲へのリリスの投影に気づいたとき、「自分の中の何かのサイン」として扱う

リリスは怖いという印象を持つ方もいますが、それは神話上のイメージや「危険なもの」として語る解説が多いからかもしれません。配置だけで「危険な人」「悪い運命」と決める必要はありません。ここでいう統合とは、否定する前に自分の感情を認識し、どう扱うか考えるための占星術上の表現です。

リリス占星術を通じて自分の影を知ることは、自分をより深く、より正直に生きることへの道でもあります。サイン・ハウス・アスペクトを丁寧に読んで、あなた自身のリリスがどんなメッセージを送っているかを受け取ってみてください。

占星術をさらに活用したい方は、占星術とタロットを仕事・恋愛に活かす方法もあわせて参考にしてみてください。リリスと他の天体を組み合わせて読むことで、さらに奥行きのある自己理解が得られます。


シャドウを観察する前に、基準を持っておく

記事の実践編にあるとおり、リリスの読み方は「責めずに、なぜそう感じるのかを観察する」ことから始まります。その観察には、自分の平常運転がどこにあるのかという基準が要ります。太陽と月の位置は、まさにその基準にあたる部分です。無料版にリリスは含まれませんが、基準の2つは30秒で出せます。生年月日と出生地だけ、登録不要。

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