甘露日・金剛峯日・羅刹日とは?宿曜経の原文と2027年の日程

甘露日・金剛峯日・羅刹日とは?宿曜経の原文と2027年の日程 宿曜占星術

「甘露日って何の日?」「次の甘露日はいつ?」と気になって調べている人も多いと思います。カレンダーに名前は載っているのに、意味まで説明しているページは意外と少ないんですよね。

先に答えると、甘露日(かんろび)は、宿曜占星術で曜日とその日の宿の組み合わせで決まる大吉日です。同じ仕組みで決まる金剛峯日(こんごうぶび)は吉日、羅刹日(らせつび)は凶日とされていて、3つで1組になっています。どの組み合わせがどの日になるかは、宿曜占星術のもとになった仏典『宿曜経』に一覧があります。

この記事では、宿曜経の原文で3つの日が何に良い日とされていたのかを確かめ、2026年11月〜2027年の日程を、私が運営している無料プチ星読みの研究ノートでも計算しつつまとめました。この記事でわかることは、次の5つです。

  • 甘露日・金剛峯日・羅刹日の意味(宿曜経の原文)
  • 2026年11月〜2027年の日程
  • 決め方と、サイトによって日付が違う理由
  • 甘露日の約4割が凌犯期間と重なる理由
  • 甘露日・羅刹日生まれの人について経典に書かれていること

甘露日・金剛峯日・羅刹日とは?宿曜経の原文で確かめる

宿曜経の正式名は『文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経』。8世紀に不空が訳した仏典です。3つの日は、この経典の上巻と下巻の2か所に出てきます。組み合わせは両巻で同じで、まとめると次の表になります。

曜日 甘露日(大吉) 金剛峯日(吉) 羅刹日(凶)
日曜 軫宿 尾宿 胃宿
月曜 畢宿 心宿 鬼宿
火曜 尾宿 壁宿 翼宿
水曜 柳宿 昴宿 参宿
木曜 鬼宿 井宿 氐宿
金曜 房宿 張宿 奎宿
土曜 星宿 亢宿 柳宿

たとえば「日曜で、その日の宿が軫宿」なら甘露日、「火曜で、その日の宿が翼宿」なら羅刹日です。曜日ごとに、甘露日・金剛峯日・羅刹日になる宿が1つずつ決まっているので、組み合わせは全部で21通り。下巻の原文では胃宿を「冒」、氐宿を「底」と書いていて、サイトによっては「底宿」の表記も見かけます。(出典:CBETA『文殊師利菩薩及諸仙所說吉凶時日善惡宿曜經』)

上巻と下巻では、書き方と「何に向く日か」の説明が少し違います。それぞれの日を、原文と一緒に見ていきましょう。

甘露日|学問と修行のための大吉日

上巻「秘密雑占品第五」(大正蔵21巻 392頁c)
「凡軫星大陽直,畢宿大陰直,星宿土直,尾宿火直,柳宿水直,鬼宿木直,房宿金直,此等七日名為甘露吉祥日,宜學道求法,受密印及習真言。」

やさしく読むと:軫宿で日曜の日、畢宿で月曜の日……この7つの日を甘露吉祥日という。道を学び法を求め、密印を受け、真言を習うのによい。

下巻「七曜直日暦品第八」(大正蔵21巻 398頁b)
「已上名甘露日,是大吉祥,宜冊立、受灌頂法、造作寺宇及受戒、習學經法、出家修道,一切並吉。」

やさしく読むと:以上を甘露日という。大いにめでたい日で、位に就けること、灌頂を受けること、寺を建てること、戒を受けること、経典を学ぶこと、出家して修行することによい。すべてよい。

※読み下しは当ブログによるものです。

上巻での名前は「甘露吉祥日」。勧められているのは、仏道を学ぶこと、密印や真言といった密教の修行です。下巻も、灌頂・受戒・寺の造営・経典の学び・出家修道と、修行や学問に関わる事が並んでいます。

そのうえで、下巻の最後には「一切並吉(すべてよい)」とあります。甘露日が、何をするにもよい大吉日として紹介されるのは、この一言につながる受け止め方といえそうです。

金剛峯日|魔を退ける力強い吉日

上巻
「此等七日名為金剛峯日,宜降伏魔怨,持日天子真言。」

やさしく読むと:この7つの日を金剛峯日という。魔や怨みを降伏し、日天子(太陽の神)の真言を唱えるのによい。

下巻
「已上名金剛峯日,宜作一切降伏法,誦日天子呪及作護摩,并諸猛利等事。」

やさしく読むと:以上を金剛峯日という。あらゆる降伏の法、日天子の呪を唱えること、護摩を焚くこと、そのほか勢いの強い事によい。

甘露日が「学ぶ・受ける」日だとすると、金剛峯日は「退ける・押し切る」日。いまの宿曜占星術のサイト、たとえば八雲院では、甘露日に次ぐ吉日として、勝負事や交渉事、神社仏閣への参拝に向く日と紹介されています。(出典:宿曜占星術 八雲院『宿曜占星術の運勢』)経典の「猛々しい事によい」と通じる読み方ですね。

羅刹日|何事も控える日(ただし例外つき)

上巻
「右此等七日名為羅剎日,不宜舉動百事,唯射獵及諸損害之事也。」

やさしく読むと:この7つの日を羅刹日という。あらゆる事を起こすのによくない。ただ、狩りなど、ものを損なう事だけはよい。

下巻
「已上名羅剎日,不宜舉百事,必有殃禍。」

やさしく読むと:以上を羅刹日という。何事を始めるにもよくない。必ず災いがある。

羅刹は、仏典に出てくる鬼の名前です。下巻の書き方はかなり強いのですが、上巻を見ると「狩りなど損なう事だけはよい」と添えてあります。何かを生み出す・始める事には向かず、断つ・終わらせる側の事には向く日、という性格づけだと私は読んでいます。

いまのサイトでも、たとえば八雲院では「大凶日」として、無理をせず静かに過ごす日と紹介されています。とはいえ、羅刹日は1年に13日ほど、月に1回ちょっとのペースでやってきます。過剰に怖がるより、大事な事を始める日を選べるなら避けておく、くらいの距離感でいいと思います。

3つの日は、宿曜経の中では短い一覧として出てくるだけで、宿曜占星術の中心は、生まれた日の宿(本命宿)から運勢を読む部分です。宿曜占星術の全体を本で確かめたい人向けの参考書としては、『宿曜大全』(かざひの文庫)があります。

2026年11月〜2027年の甘露日・金剛峯日・羅刹日

日付や文字のない月間プランナーを開いて予定を考える手元

ここからは日程です。2026年11月から2027年12月までを、月ごとにまとめました。日付はすべて日本時間です。

月 甘露日 金剛峯日 羅刹日
2026年11月 10日(火)、26日(木)、28日(土) 9日(月)※、17日(火) 3日(火)
2026年12月 なし なし 31日(木)◆
2027年1月 1日(金)◆、29日(金)◆ 3日(日)◆、31日(日)◆ 28日(木)◆
2027年2月 26日(金)◆ 28日(日)◆ 25日(木)◆
2027年3月 17日(水)◆、21日(日)◆ 19日(金)◆ なし
2027年4月 14日(水)◆、18日(日)◆ 16日(金)◆ なし
2027年5月 なし 5日(水)、24日(月)△ 10日(月)
2027年6月 なし 21日(月)△ 7日(月)
2027年7月 なし なし 23日(金)、25日(日)
2027年8月 10日(火)、26日(木)、28日(土) 9日(月)※、17日(火) 3日(火)
2027年9月 なし なし 30日(木)◆
2027年10月 1日(金)◆、20日(水)◆、24日(日)◆ 3日(日)◆、22日(金)◆ なし
2027年11月 なし 10日(水)、29日(月)△ 15日(月)
2027年12月 なし なし なし
  • ◆:凌犯期間の中の日
  • ※:経典どおり(月曜・心宿)の金剛峯日。月曜を女宿で数えるサイトでは付かない
  • △:経典では当たらないが、月曜を女宿で数えるサイトでは金剛峯日

2026年11月の甘露日は、11月10日(火)・26日(木)・28日(土)の3日です。その次は2027年1月1日(金)で、元日が甘露日にあたります(ただし凌犯期間の中)。なお、2027年12月と2028年1月は3つの日がどれもなく、次は2028年2月25日(金)の羅刹日です。

表の日付は曜日しか書いていませんが、種類と曜日が分かれば宿も決まります。たとえば火曜の甘露日は必ず尾宿、土曜の甘露日は必ず星宿です。最初の一覧表と見比べてみてください。

1950〜2050年の平均では、1年に甘露日が13.8日、金剛峯日が13.4日、羅刹日が13.4日。どれも月に1回ちょっとのペースです。ただし年によって幅があって、2026年は甘露日16日・金剛峯日16日・羅刹日17日、2027年は甘露日13日・金剛峯日11日・羅刹日9日です(どちらも経典どおりの数え方)。

この日程は、宿曜経の一覧と旧暦から私が計算したものです。宿曜占星術のサイト八雲院の運勢カレンダー549日ぶんと照らし合わせたところ、546日が一致しました。違った3日はすべて月曜の金剛峯日で、理由は次の章で説明します。2028年までの日程と年ごとの日数は研究ノートに載せています。(出典:無料プチ星読み 研究ノート『甘露日・金剛峯日・羅刹日はどう決まるのか』、2026年10月6日計算)

決め方|曜日と「その日の宿」の組み合わせ

甘露日・金剛峯日・羅刹日の決め方は、とてもシンプルです。見るのは、その日の曜日と、その日の宿の2つだけ。曜日はカレンダーで分かるので、ポイントは「その日の宿」の出し方です。

その日の宿は旧暦の日付から引く

宿曜の暦では、旧暦の各月の1日(朔日〈ついたち〉)の宿が決まっています。正月は室宿、2月は奎宿、3月は胃宿、4月は畢宿、5月は参宿、6月は鬼宿、7月は張宿、8月は角宿、9月は氐宿、10月は心宿、11月は斗宿、12月は虚宿。そこから1日に1宿ずつ、二十八宿の牛宿を飛ばして進みます。(出典:国立天文台 暦計算室『暦Wiki/二十八宿』)

実際に引いてみましょう。2026年10月6日は旧暦8月26日です。8月1日の角宿から25宿進むと翼宿で、曜日は火曜日。一覧表の「火曜・翼宿」は羅刹日なので、この日は羅刹日です。八雲院の日別の運勢記事も、この日を羅刹日としていました。(出典:八雲院 開運ブログ『2026年10月6日の運勢』)

経典にも日付から宿を数える出し方がある

宿曜経の下巻は、甘露日の一覧では「日曜に月が軫宿と合う日」のように、月の位置で書いています。ところが同じ下巻には、日付から宿を数える出し方も載っています。

下巻(大正蔵21巻 394頁c〜395頁a)
「西國皆以十五日望宿,為一月之名。故二月為角月……正月名翼月。夫欲知二十七宿日者,先須知月望宿日。」

やさしく読むと:西の国(インド)では、15日の満月の宿をその月の名前にする。だから2月は角月という。……正月は翼月。日ごとの宿を知りたければ、まずその月の15日の宿を知ること。

※読み下しは当ブログによるものです。

15日の宿から前後に1日ずつ数えれば、どの日の宿も出せます。経典の月の名前(正月=翼月、2月=角月…)は、いまの朔日宿の表で出した15日の宿と、12か月とも同じでした。つまり、日付から宿を引いて曜日と合わせる今のやり方は、経典の出し方と同じなんです。

なお、下巻の注には「たとえば正月15日が軫宿で、その日が日曜なら好日」という例もありますが、これは「假如(仮に)」と置いた例です。この数え方だと正月15日は翼宿で、軫宿は16日になります。

ちなみに、暦の宿は実際の月の位置とは一致しません。1950〜2025年の全27,759日で比べると、暦の宿は実際の月がいるナクシャトラより平均2.42宿先に進んでいて、同じ日に一致したのは2.82%でした。(出典:無料プチ星読み 研究ノート『宿曜の宿とナクシャトラの一致率』)甘露日は、空の月の位置ではなく「暦の上の宿」で決まる日、と考えておくと分かりやすいと思います。

月曜の金剛峯日はサイトによって違う

サイトによって金剛峯日の日付が違う、と気づいた人もいるかもしれません。原因は1か所だけ、月曜の金剛峯日です。

宿曜経は、上巻(心宿大陰直)でも下巻(太陰直日,月與心合)でも、月曜の金剛峯日を心宿としています。一方、いまの宿曜サイトには、月曜の女宿の日を金剛峯日とするものがあります。八雲院の解説ページの表も、月曜の欄は女宿です。(出典:八雲院『宿曜占星術の運勢』)

八雲院の運勢カレンダー549日と照らし合わせると、経典どおりの判定と違ったのは2025年8月4日(月)、2027年6月21日(月)、2027年8月9日(月)の3日だけでした。月曜の金剛峯日を女宿で数え直すと、549日すべてが一致します。暦の宿は同じで、違うのはこの1か所の数え方だけ。女宿とする数え方がどこから来たのかは、まだ分かっていません。(出典:研究ノート『甘露日・金剛峯日・羅刹日はどう決まるのか』月曜の金剛峯日は心宿か、女宿か)

この記事の日程表は、経典どおりの日を基本にして、数え方で変わる日に印をつけています。2026年11月9日(月)と2027年8月9日(月)は経典どおりなら金剛峯日、2027年5月24日・6月21日・11月29日(いずれも月曜)は女宿で数えるサイトだけで金剛峯日です。

甘露日の約4割は凌犯期間の中にある

凌犯期間(りょうはんきかん)は、宿曜占星術で普段の吉凶が逆転するといわれる期間です。この凌犯期間と甘露日の関係を計算してみると、意外な事実が出てきました。

1950〜2050年の甘露日のうち、42.5%が凌犯期間の中に来ます。金剛峯日は29.4%、羅刹日は13.8%です。2027年でいうと、甘露日13日のうち10日が凌犯期間の中。凌犯期間の外にある2027年の甘露日は、8月10日(火)・26日(木)・28日(土)の3日だけです。(出典:研究ノート『甘露日・金剛峯日・羅刹日はどう決まるのか』甘露日の4割は凌犯期間の中にある)

理由は「角宿の火曜」から始まる周回

凌犯期間は、旧暦の1日の曜日の表で決まります。この表を暦の宿と重ねてみると、「暦の宿が角宿で、曜日が火曜の日」から次の角宿の前日まで(旧暦の月末で打ち切り)を書き下したもの、と読めます。(出典:研究ノート『凌犯期間はどう決まるのか』)

宿と曜日は、どちらも1日に1つずつ進みます。だから角宿が火曜なら、亢宿は水曜、氐宿は木曜……と、周回の中でどの宿が何曜日に来るかが毎回同じになります。角宿の火曜から27日を、曜日ごとに並べると次のとおりです。

火 水 木 金 土 日 月
角宿 亢宿 氐宿
羅刹日
房宿
甘露日
心宿 尾宿
金剛峯日
箕宿
斗宿 女宿 虚宿 危宿 室宿 壁宿 奎宿
婁宿 胃宿 昴宿 畢宿 觜宿 参宿 井宿
鬼宿 柳宿
甘露日
星宿 張宿
金剛峯日
翼宿 軫宿
甘露日
 

甘露日7通りのうち、金曜の房宿・水曜の柳宿・日曜の軫宿の3通りが、この並びに乗っています。だからこの3通りの甘露日は、必ず凌犯期間の中に来ます。反対に、月曜の畢宿・火曜の尾宿・木曜の鬼宿・土曜の星宿の4通りは、必ず凌犯期間の外です。7通り中3通りで約43%、これが「甘露日の約4割」の正体なんです。

同じように、金剛峯日は日曜の尾宿・金曜の張宿の2通り、羅刹日は木曜の氐宿の1通りがこの並びに乗っています。例外は、羅刹日の木曜・氐宿のうち旧暦8月30日にあたる日だけで、凌犯期間の表が旧暦8月28〜30日を含めていないため、1950〜2050年の101年で6日だけ凌犯期間の外になりました。

凌犯期間中の甘露日は吉?凶?

では、凌犯期間に重なった甘露日は、良い日なのか、悪い日なのか。ここは考え方が分かれるところです。

宿曜占星術のサイトでは、凌犯期間は普段の吉凶が逆転する期間とされています。また八雲院は、甘露日や金剛峯日などの吉日と六害宿(凌犯期間の中で特に注意する日)が重なっても、六害宿の凶が完全に中和されることはない、と説明しています。(出典:宿曜占星術 八雲院『凌犯期間と六害宿』)

一方で、宿曜経の甘露日の記述には、凌犯期間との関係は何も書かれていません。経典に「陵犯」という言葉が出てくるのは、実際の惑星や太陽・月が人の宿を犯すときの話をする別の箇所で、甘露日の一覧とは結びついていないんです。

なので、凌犯期間中の甘露日をどう扱うかは、何を重く見るかで決めていいと思います。気になる人は、凌犯期間の外に来る4通りの甘露日(月曜の畢宿・火曜の尾宿・木曜の鬼宿・土曜の星宿)を選ぶのがいちばん安心です。2026年11月の10日・26日・28日は、3日とも凌犯期間の外ですよ。

甘露日・羅刹日生まれの人は?

「甘露日生まれ」「羅刹日生まれの人」も、よく調べられています。自分の誕生日が羅刹日だと知って、ドキッとした人もいるかもしれませんね。

結論からいうと、宿曜経には、甘露日や羅刹日に生まれた人についての記述は見当たりません。経典の全文で「甘露」「金剛峯」「羅剎」が出てくるのは、上巻と下巻の一覧の箇所だけでした。そこに書かれているのは、その日に何をするとよいか、という日取りの話です。

経典で生まれについて書いているのは、上巻の第二章「日宿直所生品」です。ここでは甘露日などの組み合わせではなく、生まれた日の宿ごとに、どんな人かが書かれています。たとえば昴宿の日に生まれた人は「法合念善、多男女、勤學問、有容儀」。やさしく読むと、善いことを思い、子どもに恵まれ、学問に励み、姿かたちが整っている、とされています。(出典:CBETA『宿曜經』巻上)

宿曜占星術で生まれから自分を見るなら、甘露日・羅刹日より、生まれた日の宿(本命宿)が基本です。宿曜の27宿は、マンガ『キングダム』のキャラクターに当てはめた占いにも使われています。気軽に楽しみたい人は、キングダム占いの記事もあわせてどうぞ。

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甘露日の使い方|経典の勧めと今の受け止め方

日差しが入る読書スペースで本を開く男性

最後に、甘露日をどう使うかです。宿曜経の勧めと、いまのサイトでの紹介のされ方を並べてみました。

日 宿曜経の勧め いまの宿曜サイトでの紹介(八雲院)
甘露日 道を学ぶ、真言を習う、灌頂・受戒・寺の造営・出家修行。すべてよい 大吉日。あらゆることに良く、特に物事のスタートや大きな決断に向く
金剛峯日 魔や怨みを退ける、護摩、勢いの強い事 甘露日に次ぐ吉日。勝負事や交渉事、神社仏閣への参拝に向く
羅刹日 何事も起こすのによくない(狩りなどは別) 大凶日。無理をせず、静かに過ごす

(出典:CBETA『宿曜經』巻上・巻下、八雲院『宿曜占星術の運勢』)

経典の甘露日は、もともと修行や学問のための吉日でした。それがいまは、新しいことを始める日、大事な決断をする日として紹介されています。下巻の「一切並吉(すべてよい)」を思えば、使い道が広がっていったのも自然な流れかもしれません。

私がおすすめしたいのは、経典の勧めにならって、甘露日を「学び始める日」にすることです。資格の勉強を始める、気になっていた講座に申し込む、読みたかった本を開く。日を選べる小さな始まりに使うと、取り入れやすいですよ。

羅刹日については、「羅刹日に謝罪してもいいの?」という疑問も見かけます。経典には謝罪についての記述はありません。謝るべきことがあるなら、日取りより早さを優先したほうがいいと私は思います。占いとの付き合い方については、占いはなぜ当たるのか?占星術とタロットを仕事・恋愛に活かす方法でも書いています。

一粒万倍日・天赦日とは別の決め方

暦の吉日といえば、一粒万倍日や天赦日を思い浮かべる人も多いですよね。この2つは、甘露日とはまったく別の決め方をする吉日です。

  • 一粒万倍日:月と日の十二支の組み合わせで決まる「選日」の1つ
  • 天赦日:季節と日の干支で決まる、暦の下段の吉日(たとえば春は戊寅の日)
  • 甘露日:曜日と、宿曜の暦の宿の組み合わせで決まる

決め方の材料がそれぞれ違うので、甘露日と一粒万倍日が同じ日に来ることがあっても、それは別々の決まりがたまたま重なっただけです。(出典:国立国会図書館『日本の暦』吉凶を表す言葉④その他、『同 吉凶を表す言葉③下段』)

大事な判断は、日取りより中身と専門家への相談を優先して

結婚や契約、治療など大きな判断は、甘露日かどうかより、内容そのものと、医師や専門家など信頼できる相手への相談を優先してください。羅刹日だからといって、必要な受診や手続きを先延ばしにするのはおすすめできません。日取りは、選ぶ余裕があるときの参考くらいにとどめておきましょう。

まとめ|甘露日は決め方を知って選ぶ

  • 甘露日・金剛峯日・羅刹日は、曜日とその日の宿の組み合わせで決まる日。一覧は宿曜経にある
  • 宿曜経の甘露日は、学問や修行のための大吉日。金剛峯日は降伏や護摩など力強い事、羅刹日は何事も控える日
  • 2026年11月の甘露日は10日・26日・28日。2027年は甘露日13日・金剛峯日11日・羅刹日9日
  • 月曜の金剛峯日は、経典は心宿、女宿で数えるサイトもあり、日付が違うことがある
  • 甘露日の約4割(7通り中3通り)は、仕組みのうえで必ず凌犯期間の中に来る

甘露日は、曜日と暦の宿という2つの材料で決まる、仕組みの分かりやすい吉日です。決め方を知っておけば、サイトによって日付が違う理由も、凌犯期間と重なる理由も自分で確かめられます。経典の勧めを参考に、学び始めや小さな挑戦の日として取り入れてみてくださいね。

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