エジプト占星術について調べていて、36星座やデカンという言葉、エジプト守護神占い、エジプト星座・・といったキーワードを見かけて「結局どういう仕組みなの?」と思ってここにたどり着いたあなた、ようこそです。西洋占星術に詳しい私にも、さっぱりわかりませんでした。
用語だけが増えていくと、「そもそもの全体像」が見えなくなってしまいますよね。
古代エジプトの占星術は、ナイル川の氾濫や農業と結びついた実用的な星の暦でありつつ、シリウスやデカン星、神々とのつながりを重視するスピリチュアルな体系でもあります。
一方で、私たちが普段使っている星占い、西洋占星術とは前提や構造がかなり違うので、「同じ占星術なのに、説明を読んでも噛み合わない」と感じやすいところでもあるんですよね。
さらに最近は、エジプト守護神を診断できる無料占いサイトや、エジプト星座と西洋占星術の12星座をミックスしたハイブリッドなシステムも増えていて、「何が本格で、何が現代アレンジなのか」が見えにくくなっています。
36星座やデカンという言葉だけが一人歩きして、「自分の誕生日はどれを信じればいいの?」と戸惑っている方も多いはずです。ここ、かなり気になるポイントだと思います。
この記事では、西洋占星術を普段占い鑑定に活用している視点から、エジプト占星術の歴史的なデカンシステムと、現代の守護神占い系コンテンツの違い、西洋占星術との関係までを整理していきます。
読み終わるころには、「エジプト占星術はこういう構造で、私はこう使えばいいかも」と、自分なりの距離感や活用法がつかめるはずです。
- エジプト占星術の歴史と36星座・デカンの全体像
- エジプトの守護神や守護動物と性格占いの関係
- 西洋占星術との違いとホロスコープとのつなぎ方
- 現代のエジプト占星術を安全かつ実用的に活用するコツ
エジプト占星術の基礎と歴史

このセクションでは、エジプト占星術とはそもそも何なのか、36星座やデカンと呼ばれる時間区分、守護神との対応、ナイル川や農業との関係をざっくり俯瞰します。
西洋占星術との違いを理解するための「土台づくり」のパートだと思って読んでみてください。細かい技法に入る前に、世界観の違いをつかんでおくと、その後の情報がすっと入ってきます。
デカンと36星座で見る誕生日
エジプト占星術を語るうえで欠かせないのが、デカンと36星座という概念です。黄道を12のサインに分ける西洋占星術と違い、古代エジプトでは夜空を36の「デカン」に分け、それぞれが約10日間の時間帯を司ると考えられていました。一年をざっくり三十六の「星の区切り」で見るイメージですね。
イメージとしては、「一年を36の星座で区切った暦」のようなものです。各デカンは特定の恒星群や神々と結びつけられ、ナイル川の氾濫のタイミングや季節の移り変わりを読むための星の時計として機能していました。
夜の始まりから夜明けまで、どのデカンがいつ昇るかを見て時間を測る「星時計」としても働いていたと考えられています。
今で言うと、「星座占い」よりも「暦と天文カレンダー」に近い側面が強かったと考えたほうがしっくりきます。
十日ごとに区切られた星のサイクルによって、儀式の日取りや、農作業を始めるタイミングを決めていく。そこにのちの時代になって、「この期間に生まれた人にはこんな性質があるのでは?」という発想が少しずつ重なっていった、とイメージしてもらうと分かりやすいです。
現代のエジプト占星術系のサイトや本で見かける36星座占いやエジプト星座は、この古代のデカンシステムをベースにしたものが多いです。
たとえば「あなたはオシリスの星」「あなたはラーの星」といった表現で、10日ごとの区分に守護神や守護星座を割り当てているスタイルですね。実際には、古代資料に残るデカンの名前や順序を下敷きにしつつ、現代の暦に合わせて調整しているケースがほとんどです。
ここで覚えておきたいのは、古代のデカンは本来「時間を測るための星の単位」だったという点です。性格診断や恋愛相性を読むためのツールというより、儀式や農業、王権のための実務的な暦としての役割が大きかった、とイメージしてもらうと理解しやすいと思います。
そこに、現代の心理占星術的な発想があとから乗ってきて、「デカン別性格」や「デカン別恋愛傾向」といったコンテンツになっている、という流れです。
36星座やデカンを使った誕生日占いは、古代の時間システムを現代向けにアレンジしたものです。
「歴史的に完全にそのまま」ではなく、「雰囲気と構造を借りた現代版」と捉えると、期待値のバランスが取りやすくなります。古代エジプトの時間計測と星の役割については、(出典:メトロポリタン美術館「Telling Time in Ancient Egypt」)のような解説も参考になります。
古代エジプト占星術と守護神
古代エジプト占星術では、星々は単なる天体ではなく、神々の現れと考えられていました。デカンにはそれぞれ守護神や精霊が対応しており、その時間帯は特定の神の力が強く働くと見なされていたのです。
特定のデカンが昇る時間帯に儀式を行うことで、その神の力を借りることができる、という感覚ですね。
現代のエジプト占星術系コンテンツでよく見かける「エジプト守護神占い」や「エジプト守護神診断」は、この発想をベースにしています。
オシリス、イシス、ラー、アヌビス、ホルス、バステト、セクメトなど、主要な神々をピックアップし、それぞれに期間を振り分けて「あなたの守護神はこの神です」と示すスタイルです。神々の数はシステムによって違いますが、12柱前後に絞り込んでいるものが多い印象です。
古代のデカンは36単位でしたが、現代の守護神占いでは西洋占星術の12星座と馴染みやすくするために、12柱の神に絞っているシステムも多く見られます。
期間の配分も、古代の資料をベースにしつつ、現代の暦感覚に合わせて再構成されているケースがほとんどだと感じます。つまり、「オシリス=この日付」というより、「オシリスの象徴が強く出るゾーンを、12分割の枠組みにマッピングしている」と理解すると近いです。
占星術師としての感覚で言うと、守護神占いは「神話的なアーキタイプ診断」として使うととても楽しいツールです。
ラータイプなら「太陽のような自己表現」、バステトタイプなら「猫のような柔らかさと気ままさ」、セクメトタイプなら「情熱と正義感の強さ」など、自分の雰囲気を別の文化圏の物語で読み直す感覚ですね。
ここで大事なのは、「守護神が一柱に固定されている」と思い込みすぎないことです。
実際の人生の中では、仕事モードの自分、恋愛モードの自分、家族の前での自分と、さまざまな「顔」があります。そのそれぞれに違う守護神のテーマが表れている、と考えたほうが柔軟に扱えます。
セッションでは、「あなたのベースはイシスっぽいけれど、仕事ではホルスの要素が強く出ているね」といった読み方をすることも多いですよ。
エジプト守護神占いを使うときは、「ぴったり当たるか」より「どの神話が自分の人生のテーマに近いか」を味わう視点で向き合うと、受け取れるものが増えます。守護神は「あなたを決めつけるラベル」ではなく、「あなたの中の一つの顔」を象徴している、と考えてみてください。
守護動物と性格を読む占星術
エジプトと言えば、猫やワニ、ハヤブサ、スカラベ(フンコロガシ)など、象徴的な動物たちも欠かせません。
守護神と同じように、守護動物を軸にしたエジプト占星術も存在していて、「あなたは猫(バステト)タイプ」「あなたはハヤブサ(ホルス)タイプ」「あなたはワニ(セベク)タイプ」といった分類が使われることがあります。
動物をシンボルにした占いは、日本で言えば動物占いが近いですね。
エジプトの場合は、神々自身が動物の姿や獣頭の姿を取るので、「神」と「動物」のシンボルがほぼセットになっているのが面白いところです。動物の習性やイメージが、そのまま神の性質の一部として溶け込んでいる、と言ってもいいかもしれません。
たとえば、バステトは猫の女神であり、家庭の守護や喜び、音楽を司る存在。ここから、「柔らかい雰囲気だけど、守るものには強い」「家や身近なスペースに美しさを求める」といった性格イメージが紐づけられていきます。
ホルスはハヤブサの頭を持つ神で、空や王権を象徴するので、「高い視点で物事を見る」「勝負どころでの集中力」「リーダーとしての責任感」などがキーワードになります。
ワニの神セベクであれば、「粘り強い本能」「危険な状況を察知する感覚」「自分と仲間を守るためには牙を見せることも辞さない」といったイメージが重なります。
スカラベは再生や変容、毎朝の太陽を押し上げる力の象徴として、「コツコツ積み上げる」「一見地味でも、実は世界を動かしている」タイプとして読めます。
こうした守護動物系のエジプト占星術は、厳密な天文計算というより、神話とシンボルを通して内面を理解するツールとして使うのがおすすめです。
セッションでは、「あなたが惹かれるエジプトの動物はどれ?」と聞いて、直感的に選んでもらうところから話を始める形でしょうか。選んだ理由を丁寧に聞いていくだけでも、自分の価値観や本音がかなり浮き彫りになりますね。
守護動物や守護神の診断は、日によって受け取り方が変わることもあります。しっくりくる部分だけを、自分の言葉で咀嚼して取り入れるくらいの軽さで付き合うのがちょうどいいと思います。
違和感のある部分は「今の自分にはそう見えるだけかも」と、一度横に置いておくくらいで大丈夫です。この辺りはタロットカードとも通じるものがありますね。
エジプト占星術と西洋占星術との比較

ここからは、エジプト占星術と西洋占星術の構造的な違いを整理していきます。どちらも「星」と「神話」を扱うのですが、前提になっている宇宙観や、何をどう読むかというポイントがかなり違うんですよね。
この違いを押さえておくと、「どっちを信じればいいの?」という迷い方をしなくて済むようになります。
ざっくり言うと、エジプト占星術は「時間と恒星に基づくシステム」、西洋占星術は「空間と惑星の配置に基づくシステム」です。
デカンは10日ごとの時間区分であり、星が昇るタイミング=時間の指標でした。一方、ホロスコープは、出生の瞬間における惑星の位置関係を図にしたものです。
どちらも「サイクル」を扱っていますが、切り取っている軸が違う、という感じです。
| 比較項目 | エジプト占星術 | 西洋占星術 |
|---|---|---|
| 基本単位 | デカン(36区分・約10日) | サイン/星座(12区分・約30度) |
| 基準 | 恒星と時間、シリウスやデカン星 | 黄道と太陽・惑星の位置 |
| 主な対象 | 暦・農業・儀式・守護神 | 出生図・心理・ライフイベント |
| 象徴の軸 | 神々(ネテル)と神話的物語 | 惑星・アスペクト・ハウス |
ヘレニズム期以降、エジプトのデカンシステムは西洋占星術の中に「デカネート(各サインを10度ずつに分けるサブ区分)」として取り込まれていきます。
つまり、デカンの構造的な骨組みの一部は今のホロスコープの中にも生きている、ということですね。「エジプト占星術と西洋占星術、どちらが本物か?」ではなく、「西洋占星術の中にエジプト由来の要素が溶け込んでいる」と考えたほうが、歴史的な流れには近いです。
もう一つの違いは、運命観とアプローチです。エジプト占星術は、儀式や魔術(ヘカ)によって運命を調整できるという発想が強く、「決まった運命をどう扱うか」という視点が根底にあります。
西洋占星術、とくに現代心理占星術では、「出生図は可能性の設計図」であり、自由意志でどう活かすかが強調されます。
同じチャートを見ても、「神々との関係性」として読むのか、「心のパターン」として読むのかで、見えてくる物語が変わるわけです。
あなたがすでに西洋占星術を勉強しているなら、エジプト占星術を「全く別物」ではなく、「時間システムとしてのルーツの一つ」として眺めてみると、両者の関係性が見えやすくなります。両方を知っているからこそ見える共通点も、多いですよ。
デカン暦とナイル川の農業占い
古代エジプト占星術の現場感を一番よく表しているのが、ナイル川と農業との関係です。
エジプト文明はナイルの定期的な氾濫に完全に依存していて、「いつ水が来るか」を読むことは、人々の生死に直結していました。
豊かな氾濫が来なければ作物は育たず、逆に大きすぎる氾濫は住居を飲み込んでしまう。まさに「星を読むこと=生き延びること」に直結していたわけです。
そこで重要になったのが、シリウスのヘリアカル・ライジング(太陽と一緒に昇るタイミング)とデカン暦です。
シリウスが夜明け前の空に姿を見せるころ、ナイル川が氾濫し始める——このパターンを長年の観測から掴んだ結果、星の動きが農業カレンダーそのものになっていきました。
デカンのサイクルは、夜間の時間を測るだけでなく、「今年の季節のリズム」をつかむ指標でもあったのです。
この感覚は、現代の「星占い」とは少し違います。どちらかというと、「天体観測と農業技術」「政(まつりごと)と宗教儀礼」を支える技術としての側面が強かったはずです。
とはいえ、王や神官たちは星のサイクルを通して国全体の運命を読み、儀式のタイミングを決めていたので、国家レベルの占星術でもあったと言えます。
現代の私たちがこの感覚を取り入れるなら、「星の動き」と「自分の生活リズム」をもう一度結び直してみることです。
たとえば、「この10日間(デカンの単位期間)はどんなことに時間を使いやすかったか」「どんなテーマの相談が舞い込みやすいか」をメモしておき、そこにデカン的なテーマを重ねてみる。そうすると、カレンダーの見え方が少し変わってきます。
エジプト占星術を学ぶときは、「私個人の性格占い」だけでなく、「社会や大地のサイクルと一体化した世界観」を感じてみると、占星術そのものへの理解が一段深くなります。ナイル川のリズムのように、あなたの人生にも「大きな流れ」があるはずです。
現代の実践としては、デカン暦やエジプトの季節感を、タロットやホロスコープの長期運勢リーディングに重ねて見ると面白いです。
「今年のこの時期は、エジプト的にはどのデカンに当たるのか?」という視点を足すだけで、いつもと違うインスピレーションが降りてくることがよくありますよ。
現代エジプト占星術の活用法

ここからは、現代の私たちがエジプト占星術をどう使うか、という実践編です。恋愛相性や適職、無料サイトの使い方、エジプトタロットとの組み合わせ方、西洋占星術のホロスコープとのつなぎ方まで、日常レベルに落とし込んで見ていきましょう。
「ロマンは感じるけれど、具体的にどう生かせばいいの?」という疑問を、一つずつほぐしていきます。
エジプト占星術と恋愛相性の見方
恋愛相談でエジプト占星術を使うとするならば、「守護神同士の相性」と「西洋占星術のホロスコープ」をセットで見る形でしょうか。
どちらか片方だけよりも、両方を重ねたほうが、立体的なストーリーが見えてくるのではないかという考えです。
エジプト側は「物語とアーキタイプ」、西洋占星術側は「具体的な心理パターンとタイミング」として役割分担させるイメージですね。
たとえば、あなたがイシス守護タイプで、お相手がホルスタイプだったとします。イシスは保護と献身、ホルスは戦いと勝利を象徴する神です。
この組み合わせは、「献身的に支える人」と「前線で戦う人」という構図になりやすく、支え支えられのパートナーシップがテーマになりがちだと読みます。
イシス側が自分を犠牲にしすぎてしまうと苦しくなりやすいので、「どこまで支えるか」の境界線が大事になってきます。
ここに、西洋占星術のホロスコープを重ねてみると、「実際に二人の月や金星がどのサインにあるのか」「アスペクトはどうなっているのか」が見えてきます。
同じイシス×ホルスの組み合わせでも、月同士が調和的なアスペクトなら「家庭的な安心感」でつながりやすく、火星同士が緊張していれば「喧嘩したときにヒートアップしやすい」など、具体的な傾向が分かります。
エジプト占星術の相性診断では、守護神の神話を並べてみるのもおすすめです。オシリスとイシス、ラーとホルス、セトと他の神々……といった組み合わせから、協力関係・葛藤・変容の物語が浮かび上がります。
相性の良し悪しというより、「二人はどんな物語を生きやすいか」を見るイメージですね。物語としてイメージできると、「今の二人は神話の中のどの場面っぽい?」と自分で振り返りやすくなります。
恋愛相性の結果が気になるのは当然ですが、「相性が悪いから別れるべき」「相性が良いから大丈夫」など、占いだけで全てを決めるのはおすすめしません。
特に結婚や離婚など人生に大きく関わる決断は、占いに加えて信頼できる人や専門家の意見も踏まえ、最終的な判断はあなた自身で行ってください。相性の悪さは「工夫ポイント」として活かすこともできます。
仕事と適職を見るエジプト占星術
仕事や適職を見るとき、エジプト占星術は「どんなエネルギーを社会に差し出しやすいか」を知るヒントになります。
守護神のテーマと、現代の職業世界をつなぎ直してあげるイメージです。職種名そのものではなく、「働き方のスタイル」「人との関わり方」にフォーカスすると、より実用的な示唆が得られます。
たとえば、トト守護タイプであれば、書記・知恵・記録の神なので、文章を書く仕事、情報を整理する仕事、研究職、分析系の仕事との相性が良いと読めます。
同じ「事務職」でも、マニュアル整備やナレッジ管理のような分野で力を発揮しやすいかもしれません。
ラー守護なら、自己表現やリーダーシップがテーマなので、マネジメント、クリエイティブディレクション、営業など、人前に立つ役割が合いやすいでしょう。
バステト守護タイプなら、「安心できる空間をつくる」「人がホッとできる雰囲気を生み出す」といったテーマを持つので、接客業やカウンセリング、インテリアや美容関係など、「人をゆるめる」「美しさや快適さを提供する」分野と相性が良いかもしれません。
セクメト守護なら、「正義感の強さ」「リスクに向き合う胆力」があるので、医療現場や法務、危機管理に関わる仕事との縁が強いケースもあります。
適職を見るときは、守護神のテーマ × 西洋占星術のMCや10ハウスの配置 × 実際のキャリア経験という三点セットで考えると、地に足のついた進路のヒントになりそうですね。
どれか一つの結果に縛られるのではなく、共通して浮かび上がるキーワードに注目してみてください。
お金やキャリアに関する重要な判断をするときは、占いの結果を「参考情報」として扱い、具体的な条件やリスクについては、正確な情報を公式サイトや専門機関で確認し、最終的な判断はキャリアカウンセラーや専門家にも相談してみてくださいね。
数値データや制度は日々変わっていきますから、ここで触れる内容はあくまで一般的な目安として受け取ってもらえればと思います。
無料占いサイトのエジプト守護神
最近は、無料のエジプト守護神占いやエジプト星座診断がたくさんあります。
占星術師の立場から見ると、「入り口としてとても良いツールだけど、使い方にはちょっとコツがいる」というのが正直な感想です。
うまく使えば自己理解のきっかけになりますが、鵜呑みにしすぎると「当たっている/当たっていない」に振り回されて疲れてしまうこともあります。
まず知っておきたいのは、多くの無料占いサイトは、古代のデカンシステムをベースにしつつも、現代向けにかなり簡略化されているという点です。
生年月日だけでポンと結果が出る分、背景にある複雑な天文計算や歴史的な部分は削ぎ落とされていると考えておいたほうがいいでしょう。むしろ、その「簡略化のおかげで入り口として使いやすい」と見るほうが建設的です。
無料のエジプト守護神占いを使うときは、「自分の守護神の候補を知るツール」くらいの感覚で使うとちょうどいいです。
結果をそのまま信じるより、神話のストーリーを読み込んで、自分との共通点を探してみてください。「ここはすごく分かる」「ここは今の自分とは違うけど、憧れとして残しておきたい」など、感じ方をメモしておくと、あとから振り返りやすくなります。
もし本格的に深めたくなったら、無料占いの結果を手がかりに、書籍や専門家のセッションで自分の守護神やデカンを掘り下げていくのがおすすめです。
無料コンテンツは、あくまで「扉を開くための鍵」であって、「全てが書かれた地図」ではない、と覚えておいてもらえると安心して楽しめると思います。
また、無料サイトの中には、西洋占星術の12星座や数秘術、タロットとミックスしているものも多いです。その場合、「これはどこまでがエジプト占星術由来で、どこからが別システムなのか」をふわっと意識しておくと、「結局何を見ているのか分からない」という混乱を防げますよ。
違うシステムがミックスされているからこそ面白い部分と、分けて考えたほうがスッキリする部分、その両方があります。
エジプトタロットと占星術の関係

エジプトタロットやネフェルタリタロットのようなデッキは、エジプト占星術と相性がとても良いです。
ただし、「タロットの一枚一枚にドンピシャでエジプト占星術の星が対応している」というより、エジプト的な宇宙観と神々の象徴を共有していると考えたほうが現実的です。
カードの絵柄には、神々や王、神殿、ヒエログリフなどがふんだんに描かれていて、それ自体が占星術的な物語の舞台になってくれます。
実際のセッションでは、エジプト占星術で守護神やデカンを確認し、そのテーマを意識しながらエジプトタロットを展開していく、という使い方をよくします。
「今、この守護神はあなたに何を伝えたがっているのか?」を、カードの絵柄と組み合わせて読んでいくイメージですね。同じカードでも、「ラー守護の人」と「イシス守護の人」ではメッセージの刺さるポイントが変わってきます。
西洋占星術とのブリッジとしても、エジプトタロットは便利です。
たとえば、ホロスコープで強調されているサインやハウスに対応するエジプトの神や物語を、タロットのカードから直感的に感じ取ってもらうことができます。
これは、言葉だけの説明よりも、視覚的なイメージで理解してもらえるという大きなメリットがあります。特に、占星術初心者の方には、「星の話を聞く→カードでイメージを見る」という二段構えだと、世界観に入りやすいとよく言われます。
タロットと占星術、どちらも使う場合は、「星で構造をつかみ、カードで今の物語を読み解く」という役割分担を意識すると、セッション全体がとてもスムーズになります。エジプト要素は、その上に「物語と象徴のスパイス」を足してくれる存在だと考えてみてはどうでしょうか。
エジプトタロット自体に興味が出てきたら、カードの構造やリーディングの基本は、タロット全般の解説記事や講座がそのまま役立ちます。
エジプト要素は、そこに「世界観と神話のレイヤー」を重ねてくれるイメージです。いきなり全部を理解しようとせず、まずは一枚一枚のカードを眺めて、「この神様はどんな雰囲気だろう?」と感じるところから始めてみると良いですよ。
エジプト占星術で自分の星を生かす
最後に、エジプト占星術を、日常の中でどう生かしていくかをまとめておきます。ここまで読んできて、「結局、私は何から始めればいいの?」と思っているかもしれません。
難しい理論を全部覚える必要はなくて、「使えるところから、少しずつ取り入れる」で十分です。
私が考えるステップは、次のような流れです。
- 無料サイトや書籍を使って、自分のエジプト守護神・守護動物・デカンをざっくり把握する
- その神や動物の神話・象徴を読み、「これは自分のどんな部分と重なるかな?」とメモしてみる
- 西洋占星術のホロスコープ(太陽・月・アセンダントなど)と照らし合わせて、共通するテーマを探す
- 仕事・恋愛・ライフスタイルの中で、「そのテーマをどう表現すると心地いいか」を少しずつ試していく
- エジプトに関する展示会や、エジプトの遺跡に実際訪れて、全身で感じる
エジプト占星術は、「別の文化から見る自分」という鏡です。
西洋占星術やタロットですでに見えている自分像に、違う角度のライトを当ててくれる存在だと思ってもらえるといいかなと思います。
同じ自分でも、どの神話のレンズを通すかによって見え方が変わる。その変化を楽しんでみてください。私もエジプトタロットを購入し、今後活用していくつもりです。
一方で、健康問題やお金、法律に関わる大きな決断をするときは、エジプト占星術を含むあらゆる占いを「きっかけやヒント」にとどめてください。
数値データや制度は日々変わりますし、ここで触れられる情報はあくまで一般的な目安にすぎません。正確な情報は公式サイトなどを必ず確認し、最終的な判断はカウンセラーや専門家にご相談いただくのが安心です。
エジプト占星術は、古代から受け継がれた星と神々の物語です。結果に縛られすぎず、「自分の人生をどう紡ぎたいか」を考えるための対話相手として付き合っていけば、きっとあなたの星読みの世界を豊かにしてくれるはずですよ。


